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「夢見る黄金地球儀」 海堂尊 著 レビュー

夢見る黄金地球儀 (ミステリ・フロンティア 38)夢見る黄金地球儀 (ミステリ・フロンティア 38)
(2007/10)
海堂 尊

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「夢見る黄金地球儀」 海堂尊 著

本 内容(「BOOK」データベースより)

首都圏の端っこに位置する桜宮市に突如舞い込んだ一億円。その名も「ふるさと創生基金」。だがその金は黄金をはめ込んだ地球儀に姿を変え、今では寂れた水族館にひっそり置かれているだけとなった―はずだった。が、ある日を境にトラブル招聘体質の男・平沼平介の日常を一変させる厄介の種へと変貌する。八年ぶりに現れた悪友が言い放つ。「久しぶり。ところでお前、一億円欲しくない?」かくして黄金地球儀奪取作戦が始動する。二転三転四転する計画、知らぬ間に迫りくる危機。平介は相次ぐ難局を乗り越え、黄金を手にすることができるのか。『チーム・バチスタの栄光』の俊英が放つ、抱腹絶倒のジェットコースター・ノベル。


アヒル。 目次

プロローグ 黄金地球儀は深海の夢を見る   1988年のある日

第一部 召集令状                  2013年・晩夏

第1章 平沼鉄工所社長・平沼豪介          8月19日午後1時
第2章 平沼鉄工所経理課長・平沼君子            午後2時
第3章 ガラスのジョー・久光穣治                午後3時
第4章 桜宮市役所管財課課長・小西輝一郎         午後4時
第5章 桜宮アクアリウム別館・深海館        8月20日午前11時

第二部 強奪作戦

第6章 雪見イチゴ強奪作戦              8月20日午後3時
第7章 ブラックドア・バーテンダー・殿村アイ          午後9時
第8章 チェリー・ホームセンター            8月21日午前9時
第9章 ホーム・スイートホーム             8月22日午前9時
第10章 スタンバイ                    8月23日午前10時
第11章 決行                       8月25日午後10時

第三部 返却作戦
第12章 4Sエージェンシー・発動            8月26日午前2時
第13章 ブービートラップ                      午後1時
第14章 夜の闇に紛れて                      午後8時
第15章 スクランブル・エッグ              8月27日午前8時
第16章 物語は静かに終わる             9月下旬のある晴れた日

エピローグ カリフォルニアの青い空          2年後・2015年のある晴れた日 


単行本: 300ページ
出版社: 東京創元社

海 読後レビュー。

海堂さんの6作目。

これ、海堂さんの本じゃなかったら、手に取ることはなかっただろうなぁ。だって、表紙が・・。
でも、海堂さんの本でよかった!なぜなら・・・

面白かったーーっ!!

時は2013年。舞台は、やはり桜宮市。
桜宮市水族館深海館には、「ふるさと創生資金」でもらった1億円で作った
黄金地球儀が展示されています。(1988年に黄金地球儀は完成。
「ブラックペアン1988」の時代ですね。)
平沼鉄工所の営業担当、平沼平介。父親が天才発明家でいろんなものを作ってる。
ある日、平介のもとに、8年ぶりにひょっこり現れた悪友・ガラスのジョーが
その黄金地球儀を盗もうとやってきます・・。

翌日、桜宮市役所の官材課の小西課長がやってきて
平介に「黄金地球儀の警備責任者」の仕事を押しつけます。
盗もうとした黄金地球儀の警備責任者となった平介。

しかし、どうやらはめられたことに気づき・・・。


最初はもひとつだったんですよ。
でも、どんどん、どんどん面白くなってきました。

登場人物も個性豊かです。
平介は、バチスタでいえば、田口先生みたいな感じ。
ガラスのジョーは、能天気で軽いんだけど、何やら秘密を背負ってる。
平介に色目を使う、バーテンダー、アイ。
平介の父親、平沼豪介。この天才肌の豪快なオヤジ、すごいいい味出してます。
平介の妻、君子。息子、雄介(小1)。
そして、役所の小西課長に、テレビ局の人間。

さらに!読んでて、あれ・・・?この名前・・・!
「ナイチンゲールの沈黙」の浜田小夜だ!!
そして、当時、中学生だった牧村くん!!

この2人が、登場するんですねー。いやー、驚き。
海堂さんのは、必ず、どこかで、ほかの話とつながってたり
同じ登場人物が出てきたりして、楽しいです。

平介は、黄金地球儀強奪作戦を練り、相棒にジョー、アイを伴い、
さらに小夜と牧村のエージェンシーにバックアップを依頼します。
そして、なんとか無事、黄金地球儀を盗むのに成功するんですが
ここからが、またどんでんどんでん!

豪介が作った発明品の数々を説明するシーンでは
一人で大爆笑でした!!


「ゴキブリボコボコ」
「ハエパシパシ」
「シラミプチンプチン」

「マンマルマンマリン」に
「ケズリン・プッチーニ」に
「ケズリン・プッチモニ」

・・・

ネーミングの面白さに、会話の面白さ
そして、絶妙のタイミング。

「あなた、名誉挽回の絶好のチャンスよ」
な、何だ、一体?おれの名誉が一体いつの間に失墜していたのだろう。いやいや待て待て、そもそもこの俺に名誉なんてあったのか?つられて声を潜めて尋ね返す。

すべてがこんな調子で進む小気味いいリズムの文章を読んでると
楽しくなってきます♪


あー、面白かった。

ごちそうさま♪

<メモ>
*黄金地球儀
・直径70cm、壁厚25cm、総重量80kg。
直径70cmの球体の中に、直径20cmの中空が存在する構造。
表面を酸化させたアルミ合金をベースに日本だけをくりぬいて18金をはめ込んでいる。
北極点に桜宮氏のシンボルマーク「桜の花びら」を18金で埋め込んだ。
当時、桜宮湾で見つかった新種の「ボンクラボヤ」と一緒に、桜宮水族館別館・深海館に展示される。警備は、サクラ綜合警備保障に委託。
当時は、金運アップのおまじないとして、日本の部分をなでたり、拝む人が連日行列をなした。
なお、1億円の金塊50kgは、2013年には1億5千万円に値上がりしていた。

*ボンクラボヤ
深海5000mにすむボヤの新種。圧力がかかると体が赤くなる。
「深海七千」では、さらにウスボンヤリボヤが発見されて、水族館に展示されている。

*豪介の発明品
・「ゴギブリポコポコ」
・」ハエパシパシ」
・「シラミプチンプチン」
・「野良タヌキポンポコ」
・「平沼鉄工所特製スーパーチャージャー」(通称「根性箱」)
・「ストレートフラッシュ」
・有人潜水艇「深海五千」「深海七千」  (「深海一万」は制作中)
・小型溶鉱炉「火の鳥」
・「ケズリン・ビッグマウス」
・「ゲズリン・プッチーニ」
・「マシン・ノミ」
・「マシン・ゴキブリ」計画中
・「ケズリン・プッチモニ」制作中
・「マンマルマンマリン」 立方体から球体を削りだす機械
・「ペタコ」瞬間金属接着マシン
・「空間圧力釜三号」



<登場人物>

平沼平介 : 平沼鉄工所営業部長 兼 臨時工員。 30代前半。中肉中背。厄介事の憑依体質。
       理学部物性物理学科大学院生(7年前)の時に結婚、中退。
       ハイパーマンシリーズのフィギュア制作が趣味。

平沼君子 : 平介の妻。平沼鉄工所経理課長。大手コンピューター会社のプログラマーだった。
平沼雄介 : 平介の息子。小1。 2007年生まれ。
平沼豪介 : 平介の父。平沼鉄工所社長。 60代半ばだが50代半ばにしか見えない。
         かつて、東城大学海洋研究所から有人潜水艇「深海七千」の設計・制作を請負った。

平沼豊介 : 平介の弟。東京帝華外語大学でアフリカのノルガ語学科に行き、
         二流の国際商社に就職。今はODA(国際援助資金)とつるんで   
         アフリカに井戸を売っている。 名前のみ登場。

三島さん : 2年前に平沼鉄工所にいた腕のいい工員。今は退職。
垣根さん : 東城大学理学部海洋研究所の名誉理事。豪介の囲碁友達。「深海七千」を1基購入。

久光穣治 : 「ガラスのジョー」。平介の悪友。七色のチューリップハット愛用。神学科卒。
        大学を卒業してから、8年ぶりに姿を現し、黄金地球儀強奪を持ちかける。
         愛車はピンクのミニバン。

浜田小夜 : ジャズバー「Black Door」で歌う。
        4Sエージェンシーのセクレタリー兼アシスタント。
        (サヨ・シークレット・システム・セキュリティー・エージェンシー
       =困り事全般を請負う。瑞人の気晴らしのためにやっている)
       平介らの計画のセキュリティ・バックアップを請負う。

牧村瑞人 : 4Sエージェンシー所長。サングラス着用のアルトサックス奏者。

殿村アイ : 「Black Door」のバーテンダー。平介の高校の後輩。 君子と同級生。
       砲丸投げをしていて、怪力の持ち主。計画に協力。平介が好き。

釜田均 : 1988年の桜宮市長(2期目)。関東出身だが関西弁。黄金地球儀を作ることを決めた。
小西輝一郎 : 桜宮市役所管財課課長。平介に黄金地球儀の警備を押し付ける。小山田の後任。
       1988年に黄金地球儀を作った時は管財課の新人で主査。
小山田 : 1988年に黄金地球儀を作った時の桜宮市役所管財課課長。現桜宮水族館館長。
       黄金地球儀の案件では関西弁になる。マンボウのような体。
三浦主査: 1988年の桜宮市役所管財課メンバー。窓際の長老。

玉村  : 桜宮署刑事。暴力団の酒を盗んだジョーにまんまとはぐらかされた。

ナナ : チェリー・ホームセンターのフィリピーナのバイト。
ヒサト : ナナの息子。小学1年生。ハイパーマン・バッカスが好き。雄介の同級生。名前のみ登場。

小松  : サクラテレビ朝の人気番組「バッサリ斬るド」の「サイエンス・アイアイ」コーナーを放送。
      女性チーフ・ディレクター兼レポーター。 30代前半。

諸田藤吉郎 : 「バッサリ斬るド」辛口キャスター。行政の不作為や偽装問題など社会的告発力強し。

 : サクラテレビの女性ディレクター


登場人物作品関連図はこちらをクリック!

●時期
1988年(プロローグ) 2013年8月19日~9月下旬 2015年(エピローグ)

<メモ>
 
  *以下内容的にネタバレ含みます。見てもいい人はカーソルでドラッグして下さい。


・「ジハード、ダイハード」 平介とジョーの造語で合言葉。世直し聖戦。
 でっかい正義の大義名分の下、反社会的行為を行おうという目標の象徴。

・8年前の夏休み(今は2013年なので、2005年)。蓮っ葉横町の目抜き通りの"ひまわり"というフィリピン・パブが、1本百万円のビンテージワイン『桜宮三姉妹(雪・月・花)』(100年前、日本で初めて作られた幻の桜宮限定ワイン)を購入。
このワインをジョーの手引きの元、平介が盗んだ。しかし3本盗んだうち、1本は間違えて安物のワインを盗んでいた。この店は、執念深さで有名な関東桜宮会という暴力団の直営店。桜宮市民ならこんな店から絶対盗みをしない・・・ということで、ワインを知らないよそ者が犯人と思われていた。
ジョーは"ひまわり"に覚せい剤が隠してあることを玉村にいい、さらにフィリピン女性が売春を強要されていた事実もわかり、半月後"ひまわり"は閉店。その後秋になって同じ場所にジャズバー「ブラックドア」が開店した。そしてたばこ銭を借りたまま、ジョーは行方不明になっていた。

その時ジョーの所に聞きこみにきたのが、桜宮警察の中年刑事・玉村。おそらく「ナイチンゲールの沈黙」に登場した玉村と同姓なので、同じ人物と思われます。

・1本ビンテージワインを盗み忘れた平介は、将来一度だけ、ジョーの言うことを聞くと約束していた。そのときの合言葉が「ジハード、ダイハード」
桜宮市が水族館の警備補強のために予算をあげたが、実はその追加分は裏金にされていたという話を聞いたジョーが桜宮市民に対する背信行為だと、「ジハード、ダイハード」の声をあげた。

・平介のところに、小西課長が来て、重量変化によるアラーム作動装置を作る契約書を豪介と前課長が結んでいたという。それを作って、さらにアラームが鳴ったら警察に連絡するという役割もしてほしいという。実はサクラ警備保障との契約は半年前に打ち切っており、赤外線カメラなどはダミーだった。
水族館別館の鍵ももらった平介。
しかし、ジョーの調べにより、この契約書が盗難の際、すべてを平介の会社が保証するという項目が含まれていたことが判明。

・ジョーの買ったアイス『雪見イチゴ』を見て、強奪作戦を思いつく平介。

・ジャズバー「Black Door」は、「ナイチンゲールの沈黙」で小夜たちが初めて水落冴子のライブを見たバー。また、「螺鈿迷宮」の天馬いきつけのバーだった。ここにも関連あり。

・「ナイチンゲールの沈黙の小夜と瑞人コンビが登場してます。あれから6年。

・平沼平介の息子、雄介(小1)は、「医学のたまご」では中学生になってます。
 薫と同級生のヘラ沼です。

・でんでん虫が焼け落ちたのは3,4年前。その後、ガラスのお城が建てられたが、壊れたようです。
 このガラスのお城は?

・ボンクラボヤと黄金地球儀のための水族館の別館がオープンした話は、「ブラックペアン1988」に出てきてました。

・開店時にコンビナート火災に直撃されたショッピングモール・チェリーは、「ジェネラル・ルージュの凱旋」で出てきましたね。

・4Sエージェンシーは、平介の依頼後に、平介らの計画を知った豪介からの依頼を受けていたんですねー。なるほど。黄金地球儀はにせものだったのです。豪介が昔役所から依頼されて、中の金塊を取りだしていたんです。 で、それが放送中判明した時点で、平介たちは契約は無効となり、契約解除となった。

・4Sエージェンシーへの支払いは、成功報酬のテンパー。しかし、オプションやらなんやらで20%。
ただし、平介が獲得した報酬はゼロのため、4Sエージェンシーへの支払いもゼロでいいと小夜がいう。瑞人の気晴らしだとも。

・平介と契約した後に、豪介とも契約していた4Sエージェンシー。報酬は30%。実は契約書は契約離脱するために4Sエージェンシーが項目を挿入したレプリカ。しかし生放送で小西課長が認めたために、正式な文書となったのだ。

・放送後、「バッサリ斬るド」の精鋭部隊『チーム・モロッコ』が桜宮市管財課を標的にし、特集を組んだが、個人情報保護法の壁を悪用して、小西課長たちは難を逃れた。
『ラブカ抱っこツアー』が企画され、大繁盛。レプリカ・ラブカを平介が作り、水族館の人気を支えている。ボンクラボヤの水槽の前で、ラブカのはく製を落として、「僕の話を聞いてください」と叫んで打ち上げ話をするというコンセプトが大流行。

・放送を見てなくて、録画もできてなかったため、その内容を知らない雄介。しかし、友達に平介が「逆ギレのラブカのおっちゃん」と言われて人気者になっている。

・小夜と瑞人は恋人同士なのか?と聞く平介に、
「私は瑞人の窓なんです」と答える小夜。その言葉に乗って頭に浮かんできた少女。
おそらく、白血病で亡くなった由紀だろう・・。

・ジョーが平介に別れを告げに来た時、豪介が桜宮限定ビンテージワイン「三姉妹」の残りの1本“花の巻”を持ってきた。実は、平介の計画はイントラネットにつながれていたパソコンから、ファミコン経由で雄介が知り豪介に相談していた。それを見た豪介はひどい契約をさせられていたことを知り、4Sエージェンシーに依頼した。そして、『根性箱』を『ゲズリン・プッチーニ』に装着し、黄金地球儀を薄く削って金塊を取っていたのだ。その削った分が、生放送中『空間圧力釜三号』に圧力をかけられつぶれた黄金地球儀から出てきた金色の地球儀のミニチュア・ビー玉2つだった。

・ガラスのジョーは、実は厚生労働省の役人。あの「ジハード・ダイハード」の後、 国家公務員になるための予備校に行き、二種国家公務員試験に合格していた。とんでもない官僚の講演を聞いて、世界観ががらりと変わったのだ。(名前は出てこないが、どうも白鳥っぽい・・・)
その官僚のいたのが厚生労働省で、ジョーもそこに入省したが、すぐに愛想が尽きた。
2010年にずさんな仕事をしていた社会保険庁が解体され、過去の債権回収のための査察チームが組まれ、そこにジョーは志願した。そこで、たまたま知った桜宮市の横領事件に平介が巻き込まれそうになったのを知り、救いにきたようです。 

・しかし最初から真実を言ってほしかったという平介は、「俺たちの“ジハード・ダイハード”はもっと壮大で、安っぽくて、バカバカしいくらいまっすぐだった」とジョーを責める。
「フィリピン・パブ“ひまわり”をつぶそうとしたのは、知り合いのフィリピンの女の子が無理やりはらまされたのを知ったからじゃないのか?」
チェリー・ホームセンターのバイトのナナはあの時の女の子。ヒサトという7歳の男の子がいる。
当時助けてもらったジョーの苗字しか知らなくて、感謝の気持ちをこめて、名字の一部を子供につけて
いた。

・7色のチューリップハットを平介の頭にのせて、グレーのハンチング帽をかぶったジョー。
「これが今の俺のスタンダードなんだ」

・その2年後。平介は東城大学海洋研究所非常勤講師を兼任しながら、営業の傍ら、豪介の発想で論文を多産していた。
そして、深海に眠る鉱物資源開発に重点を置いた米国NASAにより、平介は招待講演していたのだ。
東城大学海洋研究所が「深海1万」で、1年前、マリアナ海溝に潜航したら、海底のレアメタルだけでなく金塊がごろごろしていたのがわかった。
「深海2万」を製作するために、無重力空間、つまり宇宙ステーション上かスペースシャトル上で作業することが必要だ。
という話に
「宇宙空間で溶鉱炉を燃やすと酸素を膨大に消費する」という指摘がある。

平介は
「現状では不可能だが、現状を乗り越えていくことで、人類は果てしなき未来へと進化し続けてきた」という。
そして、試作段階だがといって、常温の宇宙の真空空間から陽電子をくりぬいて、電子生成を可能にするマシン、“くりぬきパックン”のスライドを見せた。
そして、ドクター平沼平介は
「“ジハード・ダイハード”。われわれは常にフロンティアに挑戦し続けて生きていくのです」と締めくくる。

スタンディング・オベーションの中、平介に「You did it」と書いたカードと赤いバラ、カリフォルニアワインが届く。ジョーが来ていたのだ。狂牛病の牛を調べに米国へきているという。
偶然ジョーのポケットには、あの日のレプリカの黄金地球儀の地球部分が
偶然平介のポケットには、7色のチュウリップ帽があった。





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海堂尊-小説 | 2008-10-31(Fri) 13:41:50 | トラックバック:(0) | コメント:(0)

「ジーン・ワルツ」 海堂尊 著 レビュー

ジーン・ワルツジーン・ワルツ
(2008/03)
海堂 尊

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「ジーン・ワルツ」 海堂尊 著

本 内容(「BOOK」データベースより)

桜宮市・東城大学医学部を卒業、東京・帝華大学に入局した32歳の美貌の産婦人科医、曾根崎理恵―人呼んで冷徹な魔女(クール・ウィッチ)。顕微鏡下人工授精のエキスパートである彼女のもとに、事情を抱えた五人の妊婦がおとずれる。一方、先輩の清川医師は理恵が代理母出産に手を染めたとの噂を聞きつけ、真相を追うが…。


アヒル。 目次


 序章 遺伝子のワルツ
 1章 減数分裂         1月 帝華大学
 2章 受胎告知         2月 マリアクリニック
 3章 エンブリオ         3月 帝華大学
 4章 心音覚知         3月 マリアクリニック
 5章 托卵の技術        5月 帝華大学
 6章 双角の魔女        5月 マリアクリニック
 7章 借り腹の論理       6月 帝華大学
 8章 妊娠の現実と蹉跌    6月 マリアクリニック
 9章 魔女 VS. アルマジロ  7月 帝華大学
10章 啓示             7月 マリアクリニック
11章 出産の奇跡        9月 帝華大学
12章 悲母観音          9月 マリアクリニック
13章 メディア・スター      10月 帝華大学
最終章 セント・マリアクリニック  10月 マリアクリニック


単行本: 265ページ
発売日: 2008/03


海 海堂さんの8作目。
これは今までの海堂さんの作品と違って、のほほんともしてられないし、かなり厳しいとこをついた作品でした。

人工授精、代理母、中絶、奇形・・・いろんな問題のある妊婦のために
曽根崎理恵は大学の医局からマリアクリニックに週1で通っている。

この曽根崎と、上司である清川准教授がメインで
話が進みます。

理恵が秘かに行っていることが最後の最後に明らかになり
私も唖然。それは・・。

笑どころ一切なしの医療問題の1つをストレートにぶつけたこの作品。
理恵の行為をどう思うかは人それぞれ。
読んでみる価値、大いにあります。


<登場人物>

曾根崎理恵 : 32歳。桜宮市・東城大学医学部を卒業後、
          東京・帝華大学医学部産婦人科学教室に入局。
          専門は不妊治療。体外人工受精の名手。栗色のセミロング。
          クール・ウィッチ(冷徹な魔女)と呼ばれる。
          週1回「マリアクリニック」に非常勤の医者として通う。
          大学では、3年生に発生学を教える。水落冴子の「ラプソディ」が好き。

清川吾朗  : 帝華大学産婦人科学教室・准教授。理恵の上司。不妊学会常任理事。
          ラパロスコピック・ゴットハンド(腹腔鏡下手術の神の手)と言われる。

屋敷  : 帝華大学産婦人科学教室教授。 ガチガチの厚生労働省シンパ。

金田  : 理恵の授業の生徒。おちゃらけ男子学生。
鈴本  : 理恵の授業の生徒 。最前列のまじめな眼鏡の女子学生。

*名前のみ
三井教授 : 帝華大学基礎解剖学教室での理恵の恩師。理恵に発生学の講義担当を任命。
平田    : 産婦人科学教室の講師。清川より5年下。 

マリアクリニック
・帝華大学からメトロで20分、笹月駅から徒歩10分のところにある。ぎりぎり東京23区内。

三枝茉莉亜 : 院長。末期の肺がんに侵されており、余命わずか。        

妙高みすず : 50代半ばの看護師で助産師。

*患者
甘利みね子 : 34歳。自然妊娠の妊婦。結婚8年。男の子1人いる。
神崎貴子  : 28歳。自然妊娠の妊婦。キャリアーウーマン。
青井ユミ   : 19歳。自然妊娠の妊婦。子供の父親であるタケシに逃げられ、
          コージにあなたの子供と嘘をつき、中絶の同意書を書かせる。
荒木浩子  : 39歳。人工授精経過観察。不妊外来に通院を始めて5年。3回流産経験。
山咲みどリ : 55歳。人工授精経過観察。

その他
高山 : 医療問題に詳しいジャーナリスト「プライムエイト」に出演。
女性キャスター : 「プライムエイト」で理恵をインタビュー。
諸田藤吉郎 : 「プライムエイト」特捜班キャップ。

*名前のみ
伸一郎   : 理恵の夫。文中で離婚。ボストン在住でゲーム理論の第一人者。

三枝久広  : 茉莉亜院長の息子。 北海道極北市の産婦人科医。
         極北市の産婦人科医療を一手に引き受けていたが、
         希少症例の妊婦が死亡したことを 医療ミスとされ、逮捕された。

登場人物作品関連図はこちらをクリック!

●時期
(おそらく)2009年1~10月

<メモ>   
    *以下、ネタバレ含みますので、見てもいい方だけ、ドラッグしてください。



・ジーンは、遺伝子。遺伝子のDNA配列は3つの塩基の組み合わせで一種類のアミノ酸を指定する。つまり生命の基本ビートは3拍子、ワルツ・・・ということで、ジーン・ワルツ。

・理恵は、受精卵のナンバー55 を しのぶ とつけた。伸一郎が大好きな歌「しのぶれど色に出にけり我が恋は・・・」のしのぶ。受精卵ナンバー54は、かおる。理恵の大好きだった小説の主人公の名前。

・久広の逮捕には、霞が関内部で省庁間の勢力争いが関係していた。警察庁と厚生労働省の綱引きの犠牲になったのでは?と言われている。(←「イノセント・ゲリラの祝祭」と関連)
この事件で地域医療と産科医療は崩壊。

・理恵に言われ、清川は、屋敷教授に、産科婦人科学会の総意として、三枝医師の逮捕への抗議文をとりまとめさせた。

・理恵と伸一郎は学生結婚。つまり伸一郎も東城医大出身が?
伸一郎は理恵に「なんでも確率とギャンブルにつなげたがる」と言われていた。
理恵は清川にマリアクリニックの診察を任せて5月に渡米、伸一郎に離婚届の印をもらっている。

・理恵は、過去、清川の手術で、子宮と右側卵巣摘出をしているため、
 子どもが産めない体になっています。
 しかし、清川と3回肌を合わせた時に、清川の精子をこっそり保存していたんですね。
 自分の卵子と保存していた伸一郎の精子、そして、清川の精子をそれぞれ受精させ、
 伸一郎との卵を2つ、清川との卵を1つ、自分の母の胎内に戻しました。
 冒頭、「カオル」「シノブ」と名付けていた卵は自分のものだったのですね。
 山咲みどりは、理恵の母親だったのです。
 代理母として超高齢出産に挑んだんですね。
 そして、9月上旬、無事、生まれてきた双子。兄・薫と妹・忍。
 母が桜宮市で薫を育て、理恵はマリア・クリニックを引き継ぎ、そこで忍を育てることに。
 山咲みどりが妊娠し出産したという事実は、カルテも破棄され、この世界から消滅。カルテによると、理恵が双子を出産したことになっている。
 
・「螺鈿迷宮」では、桜宮病院が死のコントロールをしてましたよね。
 この「ジーン・ワルツ」では、理恵が生のコントロールをしています。
 非常に難しい問題と思います。夫婦間で合意の上の代理母なら、いいと思うんですが
 離婚した夫、さらにそのことを全く知らない他人の子供を作ったわけで、
 それはいかがなものか・・・と考えさせられました。

・理恵の夫である、伸一郎は、曽根崎伸一郎・・・。そう、「医学のたまご」で出てきた
 曽根崎薫くんのお父さん!こういう過去があったのね・・。
 でも、薫は伸一郎と清川、どっちの子供なんだろう・・。どっちにしても賢いでしょうね。
 そして、薫は14歳。「医学のたまご」は2020年の話。ということは、この「ジーン・ワルツ」は
 2006年の話ですね。1988年に22歳だった田口先生たちは40歳くらい・・
 ということは、清川も40歳ですね!

・清川は、「ひかりの剣」で大学時代の話がでてきてます。大学時代と比べると、やっぱり落ち着いていますねー。まだ結婚してないのかな? 理恵の手術の時に、手術器具を2組用意します。
“残心”といい、一本を打ち終わっても気を抜かず、次の一本を打てるように心の準備をしておくということ。昔、痛い目にあった・・ってのは「ひかりの剣」の時の、第37回医鷲旗大会の時の決勝の大将戦で、天童に負けた時のことですね。

・理恵の東城大学時代の友人、真弓は桜宮市の小児科にいるようです。
 ということは、「ナイチンゲールの沈黙」で出てきた、オレンジ新棟、小児科の助教授・副島真弓ですね。

・妊婦4人は、同じ日に産気づき、理恵、清川、妙高、さらにまりあ院長の手で出産された。
なお、妊婦それぞれの結果は以下。
甘利みね子 : 胎児は無脳症で生まれてもすぐに死んでしまうと理恵に告げられても出産を決意。
          出産後、間もなく死亡。ユイと名付けた。
神崎貴子  : 流産。
青井ユミ   : 胎児に腕のないことを理恵に告げられたが、出産を決意。
          元気な男の子を出産。タクと名付けた。出産後、マリア・クリニックで働く。
荒木浩子  : 帝王切開により出産。吾郎と名付ける予定。今まで、流産していたのに・・。
          実は、今回、荒木夫婦の受精卵と理恵・清川の受精卵の2つの卵が
          戻されていたのだ。 どちらの卵から生まれたのか?
山咲みどリ : 代理母とは分かっていたが、最後の方まで理恵の母とはわからなかった。  
          双子を帝王切開により無事出産。


マリア・クリニックのまりあ院長は、旧姓・城崎。
東京の医家の名門、城崎家の美人三姉妹の一人だったとのこと。
城崎といえば・・・「ナイチンゲールの沈黙」で出てきた水落冴子のマネージャーと同じ名前。
しかも、城崎の家は医家。これは、つながりがありそうですね。城崎も薔薇を育てるのがうまかったですね。花を育てるのがうまい・・といえば、「螺鈿迷宮の」華緒もそうでした。もしかして、まりあ院長と華緒は姉妹で、城崎は華緒の長男?

・9月に帝華大学医局を退職した理恵は、10月からマリアクリニックの院長に就任。それに伴い、「母子救済センター セント・マリアクリニック」と改称。
ソネザキ・ドクトリンを宣言。
1・私たちは妊婦の診察をどんな時でも受け入れます。
2・私たちは母親だけではなく子供の医療にも対応します。
3・私たちは赤ちゃんポストを作り、対応します。
4・私たちは、そのために地域社会に密着した新しい医療の形をめざします。

・「プライムエイト」の特捜班が、1年間セント・マリアクリニックの日常を実況して、日本の産婦人科医療の最前線ではどんなことが起こっているか、テレビで放送する。
それを知った屋敷教授は、清川に「どんな手を使ってもいいから、潰せ」という。

・セント・マリアクリニックに集まった患者を受け入れられなかった場合、他の医療機関に紹介。ここからの依頼を拒否すると、すぐに「プライムエイト」特捜班が取材に行くので、紹介を受けざるを得なくなる。セント・マリアクリニックは、お産の一次救急病院となり、適正な医療資源配分を行う、高次機能病院としての機能を有することになる。これは、本来、帝華大学の役割だった。理想的な周産期医療センターシステムになると理恵は言う。

・清川の印を押した人工授精依頼書を理恵は持っていた。そしてたまごを複数戻して、誰の子供かわからなくしていた。清川はそれを知り、セント・マリアクリニックから完全撤退することを決意。




海堂尊-小説 | 2008-10-31(Fri) 13:27:01 | トラックバック:(0) | コメント:(4)

「ひかりの剣」 海堂尊著 レビュー


ひかりの剣ひかりの剣
(2008/08/07)
海堂 尊

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「ひかりの剣」 海堂尊著


本 内容(「BOOK」データベースより)

バブル景気真っ盛りの1988年、東城大医学部剣道部の猛虎、速水晃一、帝華大医学部剣道部の伏龍、清川吾郎、剣の才能を持つふたりの男が、全存在をかけて戦う。そしてその戦いの陰には、帝華大から東城大佐伯外科に招聘された阿修羅、高階顧問の姿があった。医療ミステリーの旗手が放つ、初の青春小説。


アヒル。 目次

 1章 明鏡止水        桜宮・東城大学  冬
 2章 クラウディ        東京・帝華大学  冬
 3章 春風駘蕩        桜宮・東城大学  春
 4章 マリオネット       東京・帝華大学  春
 5章 剣心一如        桜宮・東城大学  初夏
 6章 ミラージュ        東京・帝華大学  初夏
 7章 獅胆鷹目        桜宮・東城大学  夏 
 8章 セキレイ         東京・帝華大学  夏
 9章 サブマリン        第三十七回医鷲旗大会  夏
10章 マリンスノー                  夏
11章 寒月牙斬        桜宮・東城大学  晩秋
12章 エゴイスト        東京・帝華大学  冬
13章 竿頭一歩        桜宮・東城大学  春
14章 遠来驟雨        桜宮・東城大学  夏
15章 ヒーロー         東京・帝華大学  夏
16章 栄光           第三十八回医鷲旗大会  夏


単行本: 320ページ
出版社: 文藝春秋
発売日: 2008/8/7


海「チーム・バチスタ」の海堂さんの最新作。

舞台は桜宮・東城大学と東京・帝華大学の医学部剣道部。
医学部は医学部ですが、今回のは、熱血剣道小説です。

「ジェネラル・ルージュの凱旋」 の熱血外科部長・速水部長が、大学時代剣道部にいた頃のお話。

あ、1988年と言えば、「ブラックペアン1988」 と同時期。確かに話が絡んでます♪

田口先生が速水と島津と一緒に、病院実習に行った時の話(「獅胆鷹目」(したんようもく)はネタバレメモで説明)とか、
渡海先生が突然いなくなった話とか、
高階先生が帝華大から東城大にやってきた時の話が絡んでて、
あー、こんな大変な時に並行して、高階先生は剣道部の顧問をしていたんだなぁと
なんだか感慨深いものがありました。


東城大医学部剣道部の猛虎、速水晃一、帝華大医学部剣道部の伏龍、清川吾郎。
2人がライバルと認め合い、お互いに勝ち、医学部剣道部の大会で
優勝の医鷲旗を取ることを目標とする。
帝華大薬学部の新入生・朝比奈ひかりも、剣道の達人のおジイに鍛えられた腕をふるい
速水に勝ってしまうんですねー(この女性、絶対今度別の作品に出てきそう・・・要チェック!)。

帝華大から東城大佐伯外科に招聘された阿修羅、高階顧問は速水に、
一刀流極意・切り落としを教えるのだが、清川も同じく朝比奈のおジイにその極意を受けていた。

清川吾郎は、自分で天才と言っているほど、成績優秀で
剣道の才能もあり、(おそらく)イケメンだが
いいかげんで責任感が全くと言っていいほどない。
しかし、一度負けている速水を倒すために
東城大学に行った高階講師に
「夏までは速水に稽古をつけないでほしい。」
と頼んでしまう図々しさも持っている。

速水は、授業はサボるが、剣道には真面目に取り組んでおり
成績も、外科関係だけはトップクラスだった。

一方、清川の弟の志郎は東城大に入学し、同じく剣道部で兄を倒すために稽古を続けていた。

さて、この清川吾郎ですが、どこかで聞いた名前・・・・

そう、「ジーン・ワルツ」に出てましたー。
帝華大学のクールウィッチ・曽根崎理恵の上司として、准教授で出てました。

今回は医学の話ではなかったけれど、面白かったです。
あの速水部長が学生の時にこんなことがあったんだ・・・と。
高階講師がいなければ、ジェネラルと呼ばれる速水はいなかったかも。

高階講師のタヌキ親父ぶりは、一体いつから始まったんだろう・・。
この当時、32,3歳でしょ・・。すごい貫禄あるんだけど(^^ゞ



<登場人物>

●東城大学医学部剣道部
速水晃一 : 主将。登場時は3年生(医学部2年生)。途中から4年生、5年生。
         以下、この本の中での最終学年を記載。 
         学校の成績はだめだが、外科の成績はトップクラス。
         剣道に対して真面目に取り組み、清川をライバル視している。

糸田教授 : 顧問
高階講師 : 糸田教授の後任。帝華大の阿修羅と呼ばれていた。30過ぎ。5月連休明けから来た。

メンバー
前園先輩 : 6年生
小谷    : 4年生
鈴木    : 3年生
河井    : 3年生
清川志郎 : 2年生。 帝華大学の清川吾郎の弟。
長村    : 2年生。
花村大樹 : 1年生。生意気。
高田信夫 : 1年生。
三上先輩 : 卒業生

●医学部
島津吾郎 : 速水と麻雀仲間(速水と同期)。 柔道部。
田口公平 : 速水と麻雀仲間(速水と同期)。
彦根新吾 : 速水と麻雀仲間(速水の2学年後輩)。合気道部

日笠先輩 : 「すずめ」で速水に病院実習はサボるなと言った(名前のみ)
矢部 : 弓道部
美濃 : テニス部
木島 : 柔道部。

●帝華大学医学部剣道部
清川吾郎 : 主将。速水と同期。頭脳明晰・剣道の才能もある自他ともに認める天才だが、
         責任感のない、ケ・セラセラ タイプ。BOOWYの音楽が好き。
高階顧問 : すぐに、東城大学へ栄転。帝華大の阿修羅
新保先輩 : 元主将
今井先輩
坂部    : 吾郎の同期。
朝比奈ひかり : 薬学部。東城大学・清川志郎と同期。2年生
          祖父譲りの剣道で 「秒殺しのサブマリン」と呼ばれる。
塚本    : 女責。ひそかに吾郎が好き。
柴田    : 2年生。
久保    : 2年生。
菅井    : 卒業生。OB7年目。

石田教授 : 剣道部前顧問(名前のみ) 

●ライバル校
崇徳館大学 ・天童隆
極北大学 ・水沢栄司


●病院実習
世良先生 : 外科医1年生。元サッカー部・伝説のゴールを果たす
渡海先生
小山さん : ベッドサイド・ラーニングでの患者。

●朝比奈オジイ


登場人物作品関連図はこちらをクリック!

●時期
1987年~1989年(速水が医学部2年(21歳)~4年(23歳)まで)

<メモ>
     *下記は内容的にネタバレを含みますので、見てもいい方だけドラッグしてください。



田口が病院実習で、渡海医師に言われた言葉

外科医の心構え「獅胆鷹目」(したんようもく)

「患者を治療するにあたっては、獅子の心と鷹の目をもて」
という意味で、続きがあるとのことでしたが、

「獅胆鷹目行女手以」 というのが続きのようです。
三輪徳寛先生(元千葉医科大学学長、千葉医科大学外科学教室の初代教授 1859~1933)が
外科医の処生訓として愛された言葉とのこと。

「獅胆(シタン)鷹目(ヨウモク)行(オコナ)ウニ女手(ジョシュ)ヲ以(モッ)テス」と 読みます。

「外科医は手術に際しては、獅子のように強い意志と鷹の様な鋭い目を持ち、
女性の手のようにしなやかに行うべし」
という意味。
この続きが、田口への救いがある・・・と渡海医師は言っていましたが、
私にはよくわからないです・・はい。



東城大学医学部剣道部の心得
「明鏡止水」

第36回医鷲旗大会優勝 ・・・ 極北大学
第37回医鷲旗大会優勝 ・・・ 崇徳館大学
第38回医鷲旗大会優勝 ・・・ 帝華大学

なお、おそらく第26回医鷲旗大会を、高階講師は帝華大学の主将として優勝している。







海堂尊-小説 | 2008-10-31(Fri) 13:10:25 | トラックバック:(1) | コメント:(10)

「ナイチンゲールの沈黙」 海堂尊 著 レビュー

ナイチンゲールの沈黙ナイチンゲールの沈黙
(2006/10/06)
海堂 尊

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「ナイチンゲールの沈黙」 海堂尊 著 

本 内容(「BOOK」データベースより)
東城大学医学部付属病院・小児科病棟に勤務する浜田小夜。担当は、眼球に発生する癌―網膜芽腫(レティノブラストーマ)の子供たち。眼球を摘出されてしまう彼らの運命に心を痛めた小夜は、子供たちのメンタルサポートを不定愁訴外来・田口公平に依頼する。その渦中に、患児の父親が殺され、警察庁から派遣された加納警視正は院内捜査を開始する。小児科病棟や救急センターのスタッフ、大量吐血で緊急入院した伝説の歌姫、そこに厚生労働省の変人・白鳥圭輔も加わり、事件は思いもかけない展開を見せていく・・・。

アヒル。 目次

第一部 天窓の迦陵頻伽(かりょうびんが)

 序章 剖検室の夜
 1章 病棟のナイチンゲール
 2章 酔いどれ迦陵頻伽
 3章 ドア・トゥ・ヘブン(天国への扉)
 4章 極楽病棟
 5章 オレンジの黄昏
 6章 廊下トンビの襲来
 7章 悪の華
 8章 ミニボトル・コレクション
 9章 屋上の貴公子
10章 天窓の黙示録
11章 がんがんトンネルの魔人
12章 吊し上げカンファレンス
13章 小児科愚痴外来
14章 暗闇の迷路
15章 ハイパーマン・バッカス
16章 デジタル・ハウンドドッグ
17章 隠密捜査
18章 地下室のカノン

第二部 ナイチンゲール・ラプソディ

19章 虚飾の歌声(ヴォイス・オブ・ヴァニティ)
20章 小児愚痴外来の異星人(エイリアン)
21章 火喰い鳥 vs. 電子猟犬
22章 デジタル・ムービー・アナリシス(DMA)
23章 マリアの肖像
24章 ふたりの歌姫
25章 マタイ受難曲
26章 曼珠沙華
27章 若き闘牛士(マタドール・ジャンヌ)
28章 幼き容疑者
29章 硝子の檻
30章 ラプソディの告白
31章 対決
32章 C'est la vie.(セ・ラ・ヴィ)
33章 La Mer(ラ・メール)
34章 堕天使と聖天使
終章  窓

全413ページ



海 読後レビュー。

海堂尊さんの第2作目。バチスタの続編という感じ。
田口&白鳥シリーズとしても2作目です。

場所は同じく、桜宮市 東城大学医学部付属病院。
世の中を震撼させた「バチスタ・スキャンダル」から9ヵ月後のお話。

お馴染みの田口先生、藤原看護師、そして、白鳥調査官も加わり、事件に巻き込まれます。救命救急センターの責任者で将軍(ジェネラル)とよばれている、イケメンながら田口先生の同期の速水医師、さらに、白鳥の学友、警察庁エリートの加納警視正も登場。物語にまたまたスピンオフが出てきそうな人物登場です。

小児科病棟に勤務する浜田小夜は、レティノという眼のガン(網膜芽腫)の子供の担当。
牧村くんという中学生にしては大人びすぎている男の子とアツシくん5歳。
その子達のメンタルケアのため、田口先生が話を聞いているときに
牧村君の父親が殺された・・・という事件が起きた。

小夜の特技は歌うこと。小夜の歌はすばらしかった。
その歌に目をつけた人物、城崎。
城崎は水落冴子という有名な歌手のマネージャーで、冴子は、この病院に入院していた。
城崎と冴子は、小夜の歌に何かを見つけた・・。
島津は、小夜と冴子が歌を歌っている様子をMRIで見て、驚きを隠せなかった・・。

父親殺しと小夜の歌に何の関係があるんだろ・・と思っていたのですが
少しずつ種明かしされていきます。

牧村くんと小夜の関係、小夜の過去、田口先生と白鳥の名コンビ。
今回も、非常にスピード感のある文章と展開、面白い話でした。
ただ、最初から犯人がわかってて、そのどんでん返しがなかったのが残念かな。
登場人物も多かったし、それだけにあちこちの作品にリンクするんだけど。

実際ありえないような猟奇殺人に、共感覚という言葉。
ついていけない人も多かったようですね。

さて、これは第2作目で、第3作目が「螺鈿迷宮」」。
「螺鈿迷宮」への伏線がこの2作目にいっぱいあるので、順番に読むのがおすすめです。


<登場人物>

田口公平 : 不定愁訴外来担当(通称・愚痴外来)神経内科学万年講師 
         あだ名は「グッチー」「行灯」など

白鳥圭輔 : 厚生労働省大臣官房秘書課付技官 &
          医療過誤死中立的第三者機関設置推進準備室室長 
         通称「ロジカル・モンスター」「火喰い鳥」。厚生労働省の問題児。

高階権太 : 東城大学医学部付属病院院長。消化器腫瘍外科教授。

藤原真琴 : 不定愁訴外来看護師。ベテランで影の実力者。

オレンジ新棟

2F・小児科病棟

奥寺隆三郎 : 教授
副島真弓   : 助教授(レティノ・グループ)
内山聖美   : 医長
猫田麻里  : 看護師長 。いつも目をつぶって寝ているようだが、いざという時には頼りになる。
権堂昌子   : 看護主任
浜田小夜   : 看護師・オレンジの歌姫。彼女の歌を聞くと、皆、頭の中に映像が浮かぶ。

1F・救急救命センター(ICU併設)

速水晃一  : センター長。田口と同期で「ジェネラル」の異名を持つ。
佐藤伸一  : 講師 
花房美和  : 看護師長。猫田とライバル。
如月翔子  : 看護師。小夜の友人。迅速に的確な対応をする。

患者・ほか   

牧村瑞人  :  網膜芽腫患者。14歳(中3)。大人びていて、反攻的。
佐々木アツシ  : 網膜芽腫患者。5歳。 「~であります。」という軍隊言葉がかわいい。
杉山由紀  : 白血病で骨髄移植後。16歳(高2)。小児科病棟でお姉さん的存在。 
田中秀正  : そ径ヘルニア。10歳。 
牧村鉄夫  : 瑞人の父親。アル中。

水落冴子  : 伝説の歌姫。彼女の暗い歌を聞くと、皆絶望的になる。速水は大ファン。
城崎     : 冴子のマネージャー。昔、冴子と関係が。医学部中退。
          一世を風靡したバタフライ・シャドウのベーシストだった。

加納達也  : 桜宮警察署 警察庁刑事局刑事企画課 電子網監察室室長
          桜宮署に出向中の警視正。 白鳥の大学時代の友人。 44歳。
          モデルのような顔で長身。

玉村誠   : 桜宮警察署 警部補。加納の部下。

桜宮巌雄  : 碧翆院桜宮病院院長。


登場人物作品関連図はこちらをクリック!


●時期
2006年12月14日~26日(バチスタの時期を2006年としたため)

●用語(解説は後日アップします)


<メモ>

  *下記、ネタバレを含みますので、見たい方だけドラッグしてください。

・牧村瑞人の父親殺しの犯人は、浜田小夜。乱暴されそうになって、無我夢中でつかんだ時計で
殴ったのだ。その後、飛び込んできた瑞人が、自分の犯行にしようと父親を刺す。
小夜は、死体を解剖し、犯行時刻をごまかし、アリバイを作ったのだ。

・桜宮署の玉村は、でんでん虫(璧翆院桜宮病院)に出入りしていた頃、双子の美人女医(すみれとさゆり)意外に、若くてきれいな助手「マスク美人」がいた。どうやら、その「マスク美人」が浜田小夜らしい。

・小夜たちが城崎に連れられて行ったジャズバー「Black Door」。初めて水落冴子の歌を生で聞いた場所。「夢見る黄金地球儀」で小夜が歌うバーでもあり、「螺鈿迷宮」で天馬が行きつけのバー。

・牧村瑞人と浜田小夜は、「夢見る黄金地球儀」で4Sエージェンシーとして登場。

・佐々木アツシくんは、「医学のたまご」でスーパー高校生として登場。

・序章「剖検室の夜」は、桜宮病院・桜宮巌雄(「螺鈿迷宮」)が解剖している様子。

・加納と白鳥は大学同期。確率研究会(確研)で麻雀の確立研究をしていた。

・加納が桜宮警察署へ出向したのは、桜宮の不穏な動きを封じるため。この不穏な動きは、おそらく「イノセント・・」に続く、エーアイ・センター。でも、結局、加納が出向している間、エーアイ・センター設立への動きを阻止することはなかったですよね・・。

・小夜は瑞人が好きだった。瑞人は、由紀に恋していたようです。
小夜は、自分のために父親を殺した瑞人へ、さらに思いが募り、瑞人が両眼摘出手術を受けに行く時、自ら唇を重ねました。瑞人14歳・・・中学2年ですよ!!




海堂尊-小説 | 2008-10-30(Thu) 13:32:07 | トラックバック:(1) | コメント:(10)

テレビドラマ「チーム・バチスタの栄光」第3話レビュー

第3話  麻酔科医の告白                 2008.10.28.O.A


 *内容は、基本的に管理人のネタバレメモです。お気を付け下さい。




本 内容

チーム・バチスタ一連の術死について、ついに院内の医療事故防止組織、リスクマネジメント委員会が招集された。東城医大・第2の勢力を誇る心臓血管外科教授・黒崎は、手術に問題はないと調査を強引に打ち切ろうとする。リスクマネジメント委員会には、黒崎教授の派閥が大勢いた。
白鳥はチームの中に連続殺人鬼がいるかもしれないと公言、バチスタ手術全32件の記録映像の貸し出しを求める。

リスクマネージャーである羽場は手術室のヒヤリ・ハット報告書を見せるが、リスクマネジメント委員会に月に20件のうち2件しか報告してないという。さらにバチスタ手術のヒヤリ・ハットは一度も報告してないとのこと。おかしいなぁと言う白鳥に、怒る羽場。

夜バーにて。高階病院長と藤原看護師。いつも会ってる様子。

厚労省とグルになって桐生先生をつぶそうとしていると噂される田口。
直美には「いろいろ言われてるみたいだけど、負けないでくださいね」と言われる。

厚労省の知り合いに黒崎教授は手を引くよう依頼するが、局長直々に指示されているから余計な電話をしないようにと白鳥は言う。

「バチスタ手術で死んだ患者の解剖をしないのはなぜか?」と鳴海に聞く白鳥。
しかし、鳴海は「僕もしたいけどね」とごまかす。

入手した記録映像のうち、ケース29の映像が何者かに盗まれてしまう。白鳥は鳴海を疑うが、何もみつからない。
殺人をする医師はいないと真摯に信じる田口だったが、この出来事により自信がなくなってしまう。

一方、田口への風当たりは強くなり、委員会へ提出する書類作成に苦労する羽目に。そんな中、氷室のもとを訪れ、「麻酔科医はオペ室の奴隷」という氷室の、麻酔科医としての過酷な実情を知った田口は、氷室を家の食事に招く。特売豚肉のすき焼き。
一年中オペ室にいて、朝晩何も食べず、夜はカップめんの生活をしている氷室は素直に喜ぶ。

その頃、盗まれた術死回の資料を調べていた白鳥は、他のケースとは異なる、ある事実に気づく。

再び、リスクマネジメント委員会。黒崎教授は、術死を問題ではないと判断し、一切調査に協力しないと言う。「それじゃ何か隠してるみたいだ」という田口は、非難の矢面に立たされる。

そこへ桐生、大友、氷室がやってきて、「私が田口先生に調査を依頼した。委員会が動かないなら、田口先生に特別に調査する権限を与えてください」と黒崎教授に頼む。
さらに高階病院長が現れ、病院長権限で、田口先生を「特命リスクマネージャー」に任命する。

一方、「ケース29は心臓の切除範囲が他より広いよね。切りすぎたから死ぬってことあるのかな。」「切除範囲を決めているのは、鳴海先生だよね。」と言う白鳥に、鳴海は笑う。

部屋に戻った田口は、机の上に置いてある紙に気づいた。
「術死は続く、これからも。これは完璧に仕組まれた犯罪である。」


救急車 

なんともひどいリスクマネジメント委員会です。こんな人たちがやってたら、絶対よくなるわけがないと思ってしまいます。
今回、敵キャラが際立ってますね。ひどい悪役です、黒崎教授。

それにしても、麻酔科医の現実って厳しいんですね。
ここでの話は、本当の話なんでしょう。麻酔科医が不足していて、オペを何件も掛け持ちして
それこそ食事をとる時間もないようです。
ただ、ちょっとあれはひどい。なんなんでしょう。
消化器科の奥田!自分の腕が悪く、ミスをして、さらに誤った判断をしていて
氷室に指摘されて、手術器具を投げるなんて!!桐生先生が助けてくれたから良かったものの・・。
全くもって、こんな医者に診てもらいたくないです。
これは、たぶん、おおげさにしているのだと、信じたい・・・。

さてさて、今回は、氷室と鳴海に焦点が当てられてました。
鳴海はますます怪しくなってます。
氷室は、男前の城田くんだけに、きっとファンがうなっていることでしょう。

グッチーは、その真面目で誠意のある態度で、桐生、大友、氷室が認めてくれたようです。
よかったね。グッチー。

白鳥は、鳴海に目を付けたようですね。
さてさて、次回はどうなるんでしょう。


<新しい登場人物>

松井純子 総看護師長
曳地敦夫 リスクマネジメント委員会委員長
消化器外科講師 奥田龍治(名前・・あってます?)
麻酔科研修医 松田茂(だったかな)




海堂尊-テレビドラマ | 2008-10-28(Tue) 23:08:10 | トラックバック:(0) | コメント:(0)

「チーム・バチスタの栄光」 海堂尊著 レビュー

チーム・バチスタの栄光チーム・バチスタの栄光
(2006/01)
海堂 尊

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「チーム・バチスタの栄光」 海堂尊 著

本 内容(「BOOK」データベースより)

東城大学医学部付属病院は、米国の心臓専門病院から心臓移植の権威、桐生恭一を臓器制御外科助教授として招聘した。彼が構築した外科チームは、心臓移植の代替手術であるバチスタ手術の専門の、通称“チーム・バチスタ”として、成功率100%を誇り、その勇名を轟かせている。ところが、3例立て続けに術中死が発生。原因不明の術中死と、メディアの注目を集める手術が重なる事態に危機感を抱いた病院長・高階は、神経内科教室の万年講師で、不定愁訴外来責任者・田口公平に内部調査を依頼しようと動いていた。壊滅寸前の大学病院の現状。医療現場の危機的状況。そしてチーム・バチスタ・メンバーの相克と因縁。医療過誤か、殺人か。遺体は何を語るのか…。栄光のチーム・バチスタの裏側に隠されたもう一つの顔とは。

第4回宝島社 「このミステリーがすごい」大賞受賞作。(2005年)
大賞受賞時のタイトルは『チーム・バチスタの崩壊』

アヒル。 目次

第一部
 1章 遠景
 2章 監査を望む鷹
 3章 愚痴外来
 4章 チーム・バチスタの奇跡
 5章 顔合わせ
 6章 聞き取り調査1日目
 7章 聞き取り調査2日目
 8章 外科医の血脈
 9章 アフリカの不発弾
10章 聞き取り調査3日目
11章 バチスタ・ケース32

第二部
12章 廊下とんび
13章 火喰い鳥
14章 つじつま合わせ
15章 オフェンシブ・ヒヤリング
16章 ロジカル・モンスター
17章 二重らせん
18章 発作
19章 オートプシー・イメージング(Ai)
20章 ロシアン・ルーレット

第三部
21章 敗戦処理
22章 後日談
23章 さくら

全375ページ


海 読後レビュー

海堂さんの記念すべきデビュー第1作目。

 すっごーーーーーーく、面白かったですっ!!!

大学病院内の専門用語飛びまくりの難しい話・・・と思っていたら
超強烈なキャラも登場する、非常にテンポのいいエンターテイメント作品でした。

主人公の田口先生は、通称、愚痴外来の万年講師。
日本一のバチスタ手術成功率を誇るチーム・バチスタの
3例続いた術中死の原因を調査するために、高階病院長から依頼されて
関係者の聞き取りや、手術の立会いをしぶしぶながら行います。
執刀医、桐生助教授の鮮やかな手さばきに感銘を受け、手術は成功したかに見えましたが
人工心肺を取り除いたあと、心臓は再鼓動しませんでした。

原因が全く分からないまま、病院長に報告し、
リスクマネジメント委員会を招集してもらいますが、そこに新たな人物登場。

厚生省の白鳥技官。
この超強烈なキャラの白鳥は、独自の方法で、聞き取りや調査を開始。
田口先生は、アシスタントとして、ついてまわるのですが
この白鳥と田口先生のボケとツッコミのような会話が面白いです。

性格としては問題がありそうな白鳥ですが、非常に有能でした。
めちゃくちゃやっているようで、実は計算された行動をとっている?白鳥。
心理学の手法で、あっという間に犯人を絞り込んでいきます。
そして、緊急手術となりましたが・・・。


田口先生、ほんの少ししか出てこない超お局の藤原看護師、
チーム・バチスタのメンバー、病院長、関係者、そして、白鳥。

各々の個性がぶつかり合い、すごい緊迫感もあれば、
マンガを読んでるかのような気楽さもあり、
全くあきさせない話でした。

犯人は誰かも最後までなかなかはっきりしませんでした。
最後の幕引きもうまい!

医療の現場の話なのですが
全く暗くなく、読み終えた後、とにかく

「面白かったーーーーー!」

と叫ぶくらい、よかったです。


「このミス」大賞、恐るべし。

ものすごくおすすめです☆


<登場人物>

田口公平 : 不定愁訴外来(3年前に設立)担当(通称・愚痴外来)神経内科学万年講師。 
         あだ名は「グッチー」「行灯」。名前の由来を聞くのが趣味。

白鳥圭輔 : 厚生労働省大臣官房秘書課付技官 &
          医療過誤死中立的第三者機関設置推進準備室室長。帝華大学出身。
         通称「ロジカル・モンスター」コードネームは「火喰い鳥」。
         白鳥が通った後はペンペン草も生えない荒れ地になるから。
         上質な服を着ているが、似合わない。
         田口の第一印象は「ゴキブリ」。
         たまごっちの世話をしている(小学生の上の娘のもの)

高階権太 : 東城大学医学部付属病院院長。消化器腫瘍外科教授。
         帝華大学出身。印象は「タヌキ」

藤原真琴 : 不定愁訴外来看護師。ベテランで影の実力者。60歳すぎ。定年後の再雇用。

チーム・バチスタのメンバー
 グロリアス・セブンとも呼ばれる。

桐生恭一 : 臓器統御外科ユニット助教授・「チーム・バチスタ」のリーダーで執刀医。42歳。
         バチスタ手術は30症例中27例成功。現在小児を除き、続けて3例術死。
         第一印象は「鷹」
         名前の由来は「一番になっても恭しさを忘れるな」
      
垣谷雄次 : 臓器統御外科ユニット医局長・講師で第一助手。49歳。第一印象は「カバ」

酒井利樹 : 臓器統御外ユニット助手で第二助手。30歳。第一印象は「スピッツ」
         名前の由来は「父親の一字と生まれたのが5月で若葉がきれいだったので樹」

氷室貢一郎 : 麻酔学教室講師。37歳。寡黙。死体のような男。第一印象は「紋白蝶」
          名前の由来は「世の中に貢献できるように。長男なので一郎。」

羽場貴之 : 手術室工学士部門室長・臨床工学士。53歳。人工心肺のスペシャリスト。
         名前の由来は「人から尊ばれる偉い人になれ、之は適当。」
         中学生の息子には「雪之丞」と名付ける。

鳴海涼 : 基礎病理学教室助教授、病理医。37歳。桐生の義理の弟。第一印象は「シャム猫」

大友直美 : 手術室看護主任・看護師。33歳。
         後輩の星野響子(24歳)の後任として参加。第一印象は「巻き貝」
         名前の由来は「素直で可愛い子になってほしい」

その他         
黒崎誠一郎 : 臓器統御外科教授。臓器統御外科のトップ、リスクマネージャー。57歳。

兵藤勉 : 神経内科学教室助手、医局長。帝華大学出身。実力もある野心家。

有働 : 神経内科学教室教授。

金村 : 神経内科学教室助教授

曳地均 : 呼吸器内科学教室助教授。
       リスクマネジメント委員会委員長と電子カルテ委員会委員長兼任。

松井 : 総看護師長。看護科のトップ。

加藤 : 小太りの若いカルテ係。男。

アガピ : 7歳。少年ゲリラ兵士。アフリカ小国・ノルガ共和国の内戦で被弾。

久倉留蔵 : 酒井の患者。酒井のムンテラに納得せず、抗議したが、
        愚痴外来で話したことがきっかけで解決した。

*名前のみ
姫宮 : 白鳥の部下。ある年の主席入省者。白鳥と高階の話に出てくる。

別宮葉子 : 時風新報桜宮版 現代医療最前線シリーズ(8/15,16付)で「チーム・バチスタの奇跡」という記事を取材し、書いている。

坂田寛平 : 白鳥、姫宮の上司。高階と白鳥の会話で登場。

登場人物作品関連図はこちらをクリック!


●時期
・(おそらく2006年)2月4日~3月下旬

●用語(解説は後日アップします)

・バチスタ手術
・アクティブ・フェーズ
 白鳥曰く、相手の心臓をわしづかみして、膿んでいる病巣にメスを付きたてるやり方。

・パッシブ・フェーズ
 白鳥曰く、対象を自分の眉の中に取り込んでそこでゲロさせるやり方。

・オフェンシブ・ヒヤリング・・・攻撃的聞き取り調査。アクティブ・フェーズの聞き取り調査
・ディフェンシブ・トーク・・・守備的おしゃべり。
・スネイル・トーク
・シーアネモネ・トーク
・セルフポートレート・ヒヤリング・・・自画像ヒヤリング。その時に相手が積極果敢ならオフェンシヴ・トークになる。
 相手が消極的なら台頭は2通りに分かれる。
 守備的な理由が秘密を守るための場合→スネイル・トーク
 苦悩が原因→シーアネモネ・トーク
 
・セルフポートレート・トーク
・見立て ・・・ 相手にぬいぐるみをかぶせるというテクニック

アクティブ・フェーズの極意
 (アクティブ・フェーズ調査のこつ・・・
  「ガツン・ピュー・ソロリの原則」・・・ガツンとやって、ピューっと逃げる、そして物陰から様子を見る)

その1・怒るか怒らないかぎりぎりのところでもちこたえる。
その2・ガツンとやれる前に、隠れる物陰を確保しておくこと。
その3・用件が終了したら長居は禁物。
その4・複数同時聴取で反射情報をからめ取れ。
その5・身体を張って情報ゲット。
その7・反射消去法
その8・弱点を徹底的に攻めろ
その9・最後に信じられるのは自分だけ


<メモ>

  *下記、ネタバレ含みます(犯人も)ので、見たい方だけ、ドラッグしてください。

・犯人は麻酔医・氷室。
元はと言えば、術中、不運が重なり死亡したケースが発端(ケース27)。
ケース27の術死でお祭り気分を味わい、直後手術が成功したケース28で退屈さを味わって
集中できなかったケース29は、氷室の医療ミス。
疑われなかったことで歯止めが利かなくなった氷室は、ケース30、31、32と
劇薬・水酸化ナトリウムをエピドラ・ラインから脳幹近くに注入し、殺人を犯す。
子供を殺さなかったのは、エピドラを使用しないため。

・桐生は、目を患っていた。持病「狭隅角緑内障」があり、手術時に緊張すると頭痛として現れる。飛蚊症も出現し、視野狭窄も併発。鳴海に切除範囲の決定をしてもらっていた。米国のサザンクロス病院でミヒャエル博士にメスを置くように勧告されたが、日本に招へいされた。ケース27は手術ミス。しかし、手術を望む患者のために続け、ケース28の9歳の少年は成功した。

・鳴海は米国で、手術中、誤って、桐生に右手の腱を切られ、外科医として続けられなくなっていた。そこで病理学に転向。

・桐生は、辞表を提出し、米国のサザンクロス病院に戻り、臓器移植ネットの環境整備を勉強しつつ、後進の指導にあたることになった。

・事件後、曳地委員長は退任し、田口は「リスクマネジメント委員会委員長」、「電子カルテ導入委員会委員長」を高階病院長より、命じられる。

・大友看護師は、事件後、辞職し、酒井医師と結婚。
酒井は、辞職し、実家の医院を継ぐことに。

・垣谷は桐生の退職に伴い、助教授に昇進。

・高階病院長と藤原看護師は「ゴンちゃん」「マコリン」と呼び合う仲。

・手術リスト(主なもの)
ケース4  4/27  佐々木洋子(女) 11歳 成功
ケース27 12/21 高田久絵(女)   54歳 死亡(手術ミスか偶然の不運)
ケース28 1/9   榊原雄馬(男)  9歳  成功
ケース29 1/17  田中良一(男)  41歳  死亡(氷室の医療ミス)
ケース30 1/25  鈴木弘幸(男)  59歳  死亡(氷室による殺人)
ケース31 2/7   アガピ(男)    7歳  成功
ケース32 2/21  仁科裕美(女)  67歳  死亡(氷室による殺人)
ケース33 2/27  小倉勇吉(男)  78歳  死亡(氷室による殺人)








海堂尊-小説 | 2008-10-28(Tue) 21:26:24 | トラックバック:(1) | コメント:(2)

イノセント・ゲリラの祝祭 2008年11月6日発売!

イノセント・ゲリラの祝祭イノセント・ゲリラの祝祭
(2008/11/06)
海堂 尊

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海堂さんの新作・イノセント・ゲリラの祝祭が、2008年11月6日に発売されます。

田口&白鳥シリーズの最新作。
今回の舞台は厚生労働省。なんと、窓際医師の田口が、ロジカルモンスター白鳥の本丸・医療事故調査委員会に殴り込み!?グズグズな医療行政を田口・白鳥コンビは変えることができるのか・・・。

ということで、非常に楽しみですね!!

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予約♪ 予約♪ 







海堂さんニュース | 2008-10-22(Wed) 21:59:29 | トラックバック:(0) | コメント:(0)

テレビドラマ「チーム・バチスタの栄光」第2話レビュー

第2話:アクティブ・フェーズ vs パッシヴ・フェーズ    2008.10.14.O.A


 *内容は、基本的に管理人のネタバレメモです。お気を付け下さい。



本 内容

チーム・バチスタの調査を開始した田口だが、直美との面談結果を白鳥に話すと
「やっぱりグッチーには任せておけないなー」と、
自ら、チーム・バチスタの全員と面談を開始する。

直美にいきなり「手術の失敗は自分の責任だと思わないか」と切り出し、直美を泣かせてしまう。
しかし、直美の涙はフェイクだと田口に言い捨てる白鳥。
続いて氷室や羽場らにも聞き取り調査を行い、怒らせて殴られそうになる。
また、桐生に向かって、術死は殺人だと断言する。

一方、東城医大にはアフリカの内戦で被弾した7歳の少年ゲリラ兵士・アガピが搬送されて来た。
治療中に重度の拡張型心筋症が発見され、日本で治療を受けることになったのだ。
食事もとらず、心を閉ざしているアガピが、田口の外来に回ってきた。
田口はお菓子やおもちゃ、そして、とうとう、たこあげで気持ちを通わすことに成功した。

そんな中、直美がチーム・バチスタを辞めると氷室から聞く田口。
田口は直美のもとを訪れ止めようとするが、直美の口から出たのは、意外な告白だった。


救急車 なかなか2話目で、仲村トオルの白鳥がいい味を出してきましたね。伊藤くんの田口とは、とてもいいコンビかもしれません。

さて、今回、直美は今までの謎めいた雰囲気の理由を話してくれます。

チーム・バチスタをやめるという直美に
「桐生先生が大友さんを選んだんだから、桐生先生を信じましょう。」という田口。
しかし、直美は
「桐生先生が選択したんじゃない。私がそう仕向けたの」といいます。

おー、女の武器を使ったのか?!と思ったら・・・

「宮原さんのプライベートを暴いた手紙(循環器の外科部長と不倫関係にある)を
桐生先生の机においた。」とのこと。

密告・・・。
でも、直美もやな女ですが、宮原もいやな感じでしたので、まぁいいとしましょう。

直美は、チーム・バチスタに所属して、そこで難しいオペに参加し
できるだけ高く他の病院に自分を売りたかったと言います。

それを後ろで聞いていた白鳥は(神出鬼没ですね(^^ゞ)

「これがグッチーのパッシブ・フェーズかー。」

「それくらいで選ばれないなら、大友さんのライバルはそれだけの人だったってことだよ。
俺の周りにはそんなやつばかりだよ。どんどんやれば。
楽しいよ。人を踏み越えていくのって。」

などと、のたまいます。やっぱり官僚って、そんな世界??

そこで、直美はとびきりの笑顔で、「はい、そうします!」

うーん、強い。強いわ。彼女。

そして、今回、また「これは?」と思うような発言が!

廊下で、桐生と話す鳴海。直美が辞めたいと言っている噂について話しているとき、
「気付かれたくないことに気づかれるから?・・・・兄さんは俺が守るから。」

気付かれたくないこと?
さて、それはなんでしょう。
原作通りなら、・・・・・・・ですが・・・。

あと、氷室が
「大友さんは俺の言うことなんて聞いてくれない」と言ってましたね。
なになに?恋してる?


さて、ケース32・アガピの手術は皆が見守る中、成功しました。

しかし、白鳥は、
「余計に怪しくなってきたね。リスクマネジメント委員会で調べましょうよ。」
と、黒崎教授がリスクマネージャーを務めるリスクマネジメント委員会で調べることを提案します。

そして、「あとはグッチー、頼むよ」
「ぐっちーが守るんだ。チーム・バチスタを」

といって、去るんですねー。かっこいいやん!白鳥。


新しく登場したキャスト : 心臓血管外科・黒崎誠一郎教授 ・・・ 榎木孝明

主題歌
「守りたいもの」 青山テルマ

挿入歌
「答えはそこだ」 永崎翔



海堂尊-テレビドラマ | 2008-10-22(Wed) 12:10:49 | トラックバック:(0) | コメント:(0)

「ブラックペアン1988」 海堂尊 著 レビュー

ブラックペアン1988ブラックペアン1988
(2007/09/21)
海堂 尊

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「ブラックペアン1988」 海堂尊 著 

本  内容(「BOOK」データベースより)
外科研修医世良が飛び込んだのは君臨する“神の手”教授に新兵器導入の講師、技術偏重の医局員ら、策謀渦巻く大学病院…大出血の手術現場で世良が見た医師たちの凄絶で高貴な覚悟。

アヒル。 目次

 序章 昭和の残照
 1章 糸結び           1988年(昭和63年)5月
 2章 『スナイプAZ1988』    1988年(昭和63年)5月
 3章 出血――神を騙る悪魔  1988年(昭和63年)7月
 4章 誤作動           1988年(昭和63年)10月
 5章 ブラックペアン       1988年(昭和63年)11月

単行本: 317ページ
出版社: 講談社
発売日: 2007/9/21

海 読後レビュー。

海堂さんの5作目。東城大学医学部付属病院シリーズもの。

シリーズもの・・ではありますが、今回の舞台は1988年。
そう、バチスタの頃から20年も遡った東城大学医学部付属病院が舞台です。

世良という研修医(彼は物語の中で国家試験に合格し1年生医師となりますが)の目から
東城大学医学部付属病院の看板である外科が中心にえがかれてます。

佐伯教授という類いまれな技術を持つ外科教授、垣谷助手、渡海助教授、関川医師、そして、あの藤原婦長(当時は婦長!)、猫田主任、花房美和(まだ新人の頃)、さらには
高階病院長までもが登場! ここに講師としてやってきた頃の話なんですね-。
バチスタシリーズの良く知っている面々の若かりし頃のことなんで、それだけで
なんだか嬉しかったです。

高階講師は、食堂自動吻合器「スナイプAZ1988」」という新しい手術器具を用いて、東城医大病院佐伯外科を変えようと、ライバルの帝華大からやってきます。皆、その”おもちゃ”を使うことに抵抗を覚えますが、高度な技術がなくても手術が容易なので、徐々に認めざるを得ない状況。

佐伯教授と渡海助教授の間には因縁があり、渡海助教授は佐伯教授が学会の発表でいない間に、ある策略をしかけます。
それは、佐伯教授が執刀するときだけに使われる「ブラックペアン」が関係していた・・。

世良という新米医師は、今までのキャラにはいないキャラで、今後シリーズが続くとしたら、絶対どこかで出てくると思います。渡海も同じ。

そうそう、バチスタの田口公平や速水、島津など、現在活躍している人たちは
大学2年時の実地研修にきて、指導医世良という形で、登場してきました。
これもうれしかったですね。世良が言われてうまくなっていった、
白衣のボタンに牡丹の花を咲かせる(手術の時の糸結びの練習)のもさせられてました。

シリーズものだけど、その話ごとに、主人公が変わる海堂さんの小説は
どれもテンポよく、面白く楽しめます。

火喰い鳥、白鳥がいない分、テンポは落ちましたが(笑)
相変わらず面白かったですー。

桜宮市 : 人口20万人の小地方都市。首都東京への通勤圏内の縁にかろうじてひっかかっている。

『スナイプAZ1988』
・長さ50cmほどの食道自動吻合器。手元に引き金のような部分があり、銃身のゆがんだライフル銃のよう。

東城大学医学部付属病院
・通称赤煉瓦棟。戦前に建築された。手術部だけは3年前に大がかりな改修工事が行われた。
 しかし2年前、新病院建築が決まり、完成は1年後。来年初頭に病院長選挙がおこなわれる。

<登場人物>

世良雅志 : 佐伯外科の新人研修医。東城大学医学部サッカー部の俊足サイドバック。
         元恋人の祐子は、世良が国家試験の勉強中に東京でOLになり疎遠になった。
         シリーズでいえば、田口の役回り?
高階権太 : 帝華大第一外科助手から天下の東城大学佐伯外科に栄転してきた。
         消化器外科医。特に下部消化器に造詣が深い。
         2年ほど米国マサチューセッツ医科大に留学後、半年間、
         帝華大外科で教鞭をとり、その後、東城医大にきた。
         専門は直腸がんの低位前方切除術。「スナイプAZ1988」を佐伯外科でも導入。

佐伯清剛 : 神の手を持つと呼ばれる外科医。総合外科学教室教授。腹部外科専門。
         雪のように白い眉毛。
渡海征司郎 : 最年長(10年)。昇進を断り続けているため、ヒラの医局員。
          腕は確かだが、いいかげんなところも。
          会話の様子から、高階講師を指導したこともある様子。
          水落冴子の「ラプソディ」も聴いている。
          
関川  : 5年目の中堅医師。
垣谷  : 佐伯外科の助手。世良の8年先輩。将来の教授候補。心臓血管外科が専門。
       強力なリクルーターで世良を佐伯外科に引っ張ったのも
       サッカー部の先輩である垣谷。守備の要のセンターバックだった。
北島  : 世良の同期
黒崎誠一郎 : 助教授。大血管手術のエキスパート。
藤原真琴 : 手術室の婦長。
猫田麻里 : 看護師。主任。昼寝好き。
花房美和 : 新人看護師。

三橋医師 : 5年目の中堅医師。世良に医師国家試験の合否の結果を言いにきた。

田口公平 : 医学部4年生。夏休み中、佐伯外科病棟へ(病院実習)。
        手術を見学中、出血を見て卒倒。
速水晃一 : 田口と同期。外科志望。
島津吾郎 : 田口と同期。

*その他と名前のみ
横井 : 病理医。
田中 : 麻酔医
西崎教授 : 帝華大外科の第一人者。
斉藤教授 : 薩摩大学医学部。側臥位からの胸腔アプローチを3例トライ。
木崎外科部長 : みちのく市民病院。2年前に側臥位からの胸腔アプローチを10例トライ。
神林三郎 : 第一内科学教室・教授
中村貞夫 : 皮膚科学教室・教授
木村教授 : 肺外科
高野助教授 : 脳外科
斉藤教授 : 小児外科
野中教授 : 整形外科
坂田    : 厚生省の高階の知り合い
ヒギンズ教授 : 世界トップクラスの外科医。マサチューセッツ医科大。
           国際外科フォーラムに招待されている。
渡海一郎 : 征四郎の父親。
桃倉 : 極北救急救命センターのヘッド。佐伯教授にヘリなどを手配。
桜宮巌雄 : 佐伯の同窓。

青木 : 研修医(ネーベン)一年生。受け持ち患者は、胃がんの日上。指導医(オーベン)が関川。
今井 : 研修医一年生。受け持ち患者は、大動脈瘤の田尻。指導医は垣谷。
植草 : 研修医一年生。受け持ち患者は、大腸がんの東野。指導医が田中。
名倉 : 研修医一年生。受け持ち患者は、胃がんの金村。指導医が三橋。
渡辺 : 研修医一年生。受け持ち患者は、下肢静脈瘤の杉田。指導医が関川。
      薩摩大学から入局。
なお、世良は食道がんの皆川妙子の受け持ちで、指導医は高階。

*その他・患者
鈴木久子 : 世良の研修医時代の手術患者。76歳。胃がん。
皆川妙子 : 62歳。食道がん。高階講師が佐伯外科で初めてスナイプを使った。
小山兼人 : 70歳。胃がん。
田村洋子 : 食道がん。
戸村義介 : 食道がん
飯沼達次 : 直腸穿孔(20年前に)

美香 : 「シャングリラ」のホステス
木下 : サンザシ薬品

登場人物作品関連図はこちらをクリック!


●時期
1988年5月~11月

ムンテラ : ドイツ語。ムントテラピーの略。直訳は、言葉による治療。患者に対する説明のこと。

<メモ>
              *下記、ネタバレあり。読んでもいいという方だけ、ドラッグして下さい。



・医師国家試験の合格発表は5月中旬。

・普通の外科医なら顕微鏡で確認することを佐伯教授は指先でできる。自分の指先は顕微鏡よりも正確だと佐伯教授はいう。

・北島の代わりに手洗い・第二助手に入った世良は、手術後の糸結びが満足にできず、外科医として最低の評価と絹糸の束を今日から牡丹の花を咲かせるようにと、佐伯教授からもらう。
糸結びは外科の生命線。6年生の時に病棟実習(ポリクリ)で教えられる。

・佐伯外科は東城大学医学部の唯一の外科学教室だった。3年前に脳外科、2年前に肺外科、昨年小児外科が佐伯外科から独立した。さらに佐伯外科の3割の人員を擁する、黒崎助教授率いる心臓血管外科の分離・独立がうわさされている。

・5/10の術前カンファレンスで、高階は皆川さんの手術でスナイプAZ1988を使うという。。スナイプを使えば、すべての外科医が食道がんの手術をリーク(縫合不全)なしで簡単にできるようになると高階はいう。

・佐伯外科門下生はこの10年で100人を超えているが、食道がん手術の術者を経験したのはたった5人。佐伯教授、碧翠院桜宮病院の桜宮巌雄院長、東城中央市民病院の鏡博之外科部長、黒崎助教授、渡海。

・5/11皆川さんに当時ではほとんどないがんの本人告知を高階は行う。
高階は100%手術を成功させるというが、渡海は俺なら絶対そんなことはいわないという。
高階は「私がここへきた真の目的は、技術ばかり追い求めるあまり、医療の本道を見失った佐伯外科を正道に戻すため」という。

・5/13皆川さん手術。執刀医・高階、第一助手・渡海、第二助手・佐伯教授、外回り・世良、麻酔医・田中、器械だし看護婦・猫田、看護婦外回り・花房。
手術当日が医師国家試験の合格発表だった。渡辺以外は、みな無事合格。

・5/13合格おめでとう宴会。蓮っ葉通りにある老舗料亭「纏」にて。

・7/18世良は学部2年生(つまり4年生)3人のベッドサイド・ラーニングを5日間行う。
外科系志望の速水、柔道部の島津、田口公平。初日は手洗い指導。

・糸結びの練習を始めて2か月。世良は一年生の中では一番上手になっていた。
しかし、7/18の垣谷執刀の手術で、世良が失敗し、それを渡海がフォローしてくれた。
当日、渡海について蓮っ葉通りの「シャングリラ」へ行く。

・7/19世良は3人の学生に胃がんの小山兼人(70歳)への渡海のムンテラを見せる。
いきなり胃がんを告知されてとまどう小山さんに渡海は生存確率や手術の成功確率などについて話す。突き放した感のムンテラに、世良は不愉快になる。「成功するかどうかはわからないが、それでも手術をしたかったら承諾書を」という渡海に、学生の一人、田口も「患者の気持ちを無視している」という。「ムンテラは外科医が自分の身を守るためにする」という渡海に田口は憤る。

・7/20小山さんの手術を学生3人は見学。そこで突然世良は渡海に、左胃動脈の結さくをするように言われる。しかし失敗し、出血。その血が見学の田口の顔にふりかかり、田口は失神。
「患者を一人殺しちゃった」と言われた世良は、翌日欠勤。
高階が世良の家に来て、渡海と賭けをしたという。渡海は世良がやめるといい、高階は戻ってくるという。高階は5人手術で殺めていた。しかし責任があるから外科医を続けるという。「逃げることは許さない」という高階。
翌日、渡海が賭けていたのはセブンスターひと箱。世良は、小山さんのところにいくと、小山は「わては先生に殺されかけた。でも生きている。これに懲りずにいいお医者さんになってくだされ」という小山に世良は頭を下げた。
学生3人のレポート、速水は「すぐに追い抜きます」とたった1行。速水らしいですね。研修は5日間。

・10月晴れた日曜。世良は花房と映画デート。なんと映画は「となりのトトロ」。
上映中、主人公の女の子が母親と会えた場面で洟をすする花房。世良はその手を握り、指を絡める。
駅ビルの最上階のファミレス窓際特等席でパスタとステーキを食べる。

・高階の権太という名前から、渡海は「権太郎」「権の字」、手術室でも皆「ゴンちゃん」、藤原は「ゴンス」と呼んでいる。高階は名前のコンプレックスから不機嫌な様子。

・来春(1989年)オープンする桜宮水族館別館の「深海館」の目玉が、桜宮湾で発見されたボンクラボヤと「黄金地球儀」。国が全国の市町村に1億円ずつ大判振る舞いした「ふるさと創生資金」すべてを金塊に替えて作った。桜宮市には博物館がないから水族館の目玉にした。

ボンクラボヤを見たいという花房に世良はいけないかもしれないという。
来年から総合外科学教室の研修システムが変わり、これまでは研修医は2年目に、外部の協力病院に研修に出ていたが、来年から2年目の一部は大学に残る。だから大学病院に残留すれば行けるけど、外の病院に出ていけば行けないという。世良は外の病院でばりばりやりたいという。

なので、世良は東城医大にいないのね・・・・。

世良に渡海の話をする花房は「渡海先生はいい加減だ」という世良に、
「弱い人間に対していい加減になれるのは、強くて優しい人にしかできない気がします」という。

・渡海がいつも聴いているロックグループは「バタフラウシャドウ」曲名は「スカラベの涙」
おっ!「ナイチンゲール」の城崎のいるグループだ。水落冴子の「ラプソディ」も聴いてます。

・渡海は猫田を気に入っているが、猫田は何とも思ってない。猫田は煙草嫌い。

・10月の時点で、スナイプで行った手術は11例。リークゼロ。
佐伯教授は高階講師に世良にスナイプを使って食道がん切除の手術をするようにいう。
「やります」という世良。
しかし、高階は「スナイプで手術をするには胃亜全摘術の術者を最低5例経験している外科医でなければいけない。世良はまだ研修医1年生で外科医ではない」と反対する。
術者の希望を募る佐伯に関川が手を挙げる。佐伯は高階が助手としてはいることを認めず、第一助手・垣谷、第二助手・青木と指示。

・渡海の父親は極北大学で内科助手をしていた。渡海は極北大医学部出身。父親は東城医大に内科講師として招かれ、IVHを確立。先代の外科学教室の大林教授は反対したが、佐伯教授(当時助教授)はIVHを認めて導入した。
IVHは(Intravenous hyperalimentation)術後に十分な栄養補給を行う点滴。
佐伯と渡海の父親は良好な関係を築いていたが、20年前、佐伯が海外の学会に行っている時、佐伯の手術した患者の体内にペアンが残されていたことを知り、大林教授に訴える。しかし、佐伯が手術は行うなという電報をよこしたため、大学を追われてしまった。
佐伯が海外から帰ってきたときには、すでに渡海の父親は追われた後だったのだ。

・食道がんのスナイプ手術で、猫田が生来の勘で、器械だしを花房に代わってもらった。それを知った世良は、外回りの北島に頼んで変わってもらう。
手術中トラブルになり、世良は佐伯と一緒にいる高階を呼びに行く。「行ってはならん。小天狗。ここで行ったら2度とあのオモチャは使えなくなると思え」という佐伯の声に席を立たない高階。世良は「目の前で患者が死ぬのを見るのはいやだ」といい、力づくで連れていく。

・関川の操作ミスで吻合に失敗した手術は、高階が変わり、あっという間にリカバリした。
渡海は部屋で何か起こった時のために控えていた。
さらに「手術のリカバリに行けば、お前の居場所はない」といった佐伯は、高階を試していた。
あの時行かなければ、居場所はなくなっていたのだ。そして、病院長選挙に勝つための手助けをしろち高階にいう。自分の後は高階が教授という。

・11月初旬、病院長選挙告示。立候補は、第一内科学教室・神林三郎教授、皮膚科学教室・中村貞夫教授、総合外科学教室・佐伯清剛教授の3人。

・極北市で行われる「国際外科フォーラム1988」に佐伯教授は招待され講演することになっていた。
医局員の8割を連れていき、不在の3日間は予定外の手術はしないよう、責任者に高階を指名。

・11/25(金)戸村義介の手術。術者・関川、第一助手・高階、第二助手・世良、器械だし・花房。
スナイプの手術中、渡海が救急患者を告げる。
あのペアンの置き忘れ患者・飯沼達次だ。
佐伯教授が不在の間に再手術を行うように手配し、佐伯が留守中の責任者・高階講師に許可を得る。
飯沼のフォローは碧翠院桜宮病院で行われていた。巌雄院長と佐伯教授はかつて総合外科学教室の同窓で仲良し。渡海は、桜宮病院にバイトに行って、飯沼とコンタクトをとれるようになっていた。
腹部が痛むわけでもないのに、レントゲン撮影し、ペアンが残っていることを本人に知らせ、今回の手術を任せたのだ。

世良が佐伯教授に手術をするという電話をして戻ると、関川が体調を崩し、高階一人で戸村さんの手術を行っていた。渡海と青木、猫田が飯沼の手術を待っていた。
高階が術者になり、手術を始めるが、通常ペアンを取るだけなら5分ですむのに、20年の癒着やもともとの疾患もあり、手術開始から7時間かかってペアンに到達した。
そのとき、学会で発表するはずだった佐伯教授が、手術室に入ってきた。
電話を受けてすぐ講演をキャンセルし、極北大からドクターヘリで空港、そこから特別航空便にのり、羽田からタクシーを飛ばしてやってきたのだ。
極北救命救急センターのヘッド・桃倉は佐伯の弟子。地域の救急医療で行政に貢献しているので無茶が通ったのだ。佐伯教授の変わりは急きょ黒崎助教授がつとめた。
桃倉さんは、「医学のたまご」で薫くんの指導担当と同じ名前。親子?

佐伯の制止を振り切って、渡海は、ペアンを取った。
しかし、以前の傷口から出血が止まらなくなった。
このペアンが残されたままだったのは、出血を止めるためのやむを得ない措置だったことを知る。
素人である患者や家族に納得させることができるか不安で、それを秘密にしていたのだ。

佐伯は、藤原を手洗いに指名し、再び出血を止めるため、ブラックペアンを使う。
佐伯が手術時、常に器具の中にブラックペアンを置いておくのは、
あのときのことを忘れないためだった。

佐伯が海外から戻ったとき、いなくなっていた渡海を探したら、離島の医者になっていた。
そして、自分の息子を佐伯の手で一人前の外科医にしてほしいと依頼した。

佐伯は、ブラックペアンを使う時は、外科医をやめる時と決意していたんですね。
レントゲンにも写らないし、火葬の時、燃やしても残らない特注カーボン性。
2度とこんなことがないように、しかし、もしあった時は、証拠を残さないように。

渡海は、職を辞そうとする佐伯を止め、病院を辞職します。
でも、きっとどこかで、また登場してくれると思っています。→「モルフェウスの領域」



海堂尊-小説 | 2008-10-18(Sat) 22:00:52 | トラックバック:(1) | コメント:(0)

テレビドラマ「チーム・バチスタの栄光」第1話レビュー


テレビドラマ「チーム・バチスタの栄光」第1話


 *内容は、基本的に管理人のネタバレメモです。お気を付け下さい。


本 内容

東城大学特別愁訴外来の田口公平は、高階病院長に呼ばれて
高度なバチスタ手術を100%成功し続けていた、チーム・バチスタの症例が、
続けて3例術死している原因を突き止めてほしいと頼まれる。
バチスタ手術を執刀する心臓外科医の桐生たちは、田口を邪魔者扱いするが
器械出しの大友看護師は「患者を殺したのは私」と言い立ち去る。
田口はカルテや資料を調べて、子供の手術だけが成功していることを知る。

特別愁訴外来では、田口の元に、白鳥という足を骨折した男性がやってくる。
白鳥は田口を「グッチー」と呼び、バチスタ手術のことを知っているような口ぶりだ。
由紀子のオペ観覧に、白鳥もなぜか同席していた。

願いもむなしく失敗した手術。由紀子の死後、
高階病院長に呼ばれた田口は、そこで白鳥とともに原因を究明するよう言われた。
白鳥は「厚生労働省大臣官房秘書課付技官」という名刺を見せたのだった。


<登場人物>

特別愁訴外来(通称・愚痴外来)心療内科医・田口公平 … 伊藤敦史
厚生労働省官僚・白鳥圭輔 … 仲村トオル
東城大学病院長・高階権太 … 林 隆三
特別愁訴外来看護師・藤原真琴 … 名取裕子

チーム・バチスタのメンバー
心臓外科医・桐生恭一 … 伊原剛志
麻酔科医・氷室貢一郎 … 城田優
第一助手・垣谷雄次 … 鶴見辰吾
第二助手・酒井利樹(田口と同期) … 鈴木裕樹
臨床工学技士・羽場貴之 … 戸田昌宏
病理医・鳴海涼(桐生の義理の弟) … 宮川大輔
器械出し・大友直美 … 釈由美子

救急車 あまり期待してなかった第1話。

田口先生役の伊藤くんは、どうしても、私にはチビノリダーのイメージが(^^ゞ
原作の田口先生は、もっと年上でしたし、物足りなさはどうしようもなかったです。
ただ、若くて人がよく、正義感溢れるところが、伊藤くんの田口先生なんでしょうね。

白鳥は、もっと声の高い早口のイメージなんですが、仲村トオルは自分の白鳥を作っていましたね。
原作と比べず、ドラマはドラマで楽しんだ方が良さそうです。
犯人も原作と違うようですしね。

しかし、それ以外のキャストはわりとイメージに合ってましたねー。
桐生役の伊原剛志は、いかにも桐生というイメージでした。
釈由美子もよかったです。このドラマで私が秘密を握っているのよ・・みたいな
あの目が、緊張感を生んでました。

驚いたのが、宮川大輔。私は「Qさま」のイメージしかなかったのですが
とてもいい味を出してましたね。少ししかセリフもなかったけれど
存在感がありました。

藤原看護師役の名取裕子、めちゃ良かったです。
原作はもっと年上でもっと(一見)冷たそうな感じなんですけど
この名取裕子の藤原さんは、頼りになる優しい看護師さんって感じで
田口先生を助けてくれそうです。

第1話目ということもあり、もひとつテンポがちぐはぐな感じでしたが
これから、どう良いリズムを作っていくのでしょう・・・。



海堂尊-テレビドラマ | 2008-10-15(Wed) 14:03:27 | トラックバック:(0) | コメント:(0)

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